2009 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病における神経細胞死の機序解明とその防御
Project/Area Number |
20023028
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
服部 信孝 Juntendo University, 医学部, 教授 (80218510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 栄人 , 医学部, 准教授 (00445537)
下 泰司 , 医学部, 准教授 (70286714)
波田野 琢 , 医学部, 助教 (60338390)
舩山 学 , 医学部, 助教 (70468578)
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Keywords | Parkin / PINK1 / CCCP / ミトコンドリア / Mitophagy / 品質管理 / オートファジー / 蛋白分解系 |
Research Abstract |
<研究目的>Parkin(PARK2)とPINK1(PARK6)は常染色体劣性遺伝形式を呈する若年発症のパーキンソニスムの原因遺伝子であり、その臨床像は非常に類似している。これまでにParkinの機能としてはユビキチンリガーゼであることが判明しており、他方PINK1はキナーゼドメインを持つことからリン酸化に関与することが推測されてきた。近年ParkinとPINK1の新たなる機能として、ミトコンドリアの品質管理に関与することが注目されている。すなわちParkinとPINK1はともに障害を受けたミトコンドリアを認識し、そのクリアランスに関与することが指摘されているが、その詳細な分子機構については不明な点が多い。そこで、ミトファジー現象に着目し、ParkinとPINK1がいかに関与するかを明らかにし家族性パーキンソン病の病態解明を目的とする。 <方法>ミトコンドリア脱共役剤(CCCP)はミトコンドリア膜を高度に障害し、その結果イオン勾配を消失させ、膜電位を保てなくする作用を持つことが知られている。培養細胞ならびにMEFをCCCPで処理し、ParkinとPINK1の動態を生化学的に解析した。 <結果>ParkinはCCCP処理により膜電位を消失した異常なミトコンドリアを認識して移行する。この反応はParkin特異的な反応であるが、ミトコンドリアへの移行にはPINK1が必須であることを見出した。 さらにParkinが移行したミトコンドリアは次第に消化されていくことを観察した。 <考察>Parkinは障害されたミトコンドリアのクリアランスに重要な要素であり、ミトコンドリアの品質管理に重要な役割を担っていることが推測された。クリアランスの詳細なメカズムは不明であるがオートファジーを阻害するとが抑制されることからミトファジーが有力である。以前より孤発性パーキンソン病の病態としてミトコンドリア機能異常が指摘されており、Parkinのこのようなミトコンドリアクリアランスの作用の解明は重要な課題である。
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Research Products
(5 results)