2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20023032
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高島 明彦 The Institute of Physical and Chemical Research, アルツハイマー病研究チーム, チームリーダー (00154774)
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Keywords | アルツハイマー病 / 神経変性 / 神経原繊維 / タウ / 老化 |
Research Abstract |
神経原線維変化はリン酸化したタウが線維化したものである。この線維化する過程でタウ蛋白は初期に過剰にリン酸化され、凝集して顕粒状凝集体を形成し、それが結合することで線維化することを明らかにしている。この凝集過程と神経変性過程の相関は明らかになっていない。この、タウ凝集過程と神経変性過程の相関を調べるため野生型タウ発現マウス、およびP301L変異タウを発現するマウスにおけるタウ凝集状態と神経変性について見当を行った。野生型ひとタウを発現するマウスモデルの解析から過剰にリン酸化したタウがシナプス消失を引き起こし学習記憶能を低下することを見いだしている。今年度、P301Lタウを発現するマウスモデルの解析では繊維化はしていないが不溶性タウの凝集、すなわち顆粒状凝集体形成と神経脱落が起きていた。しかし、このマウスでは学習記憶機能は対照と同程度に保たれていた。シナプス量は神経細胞脱落が起きているにもかかわらず、対象と同程度に補償されることで学習記憶には影響を与えないことを説明する。顆粒状凝集体がシナプス消失を引き起こすことなく神経脱落に関与することを見いだした。このことは、タウの凝集過程の進展に伴ってシナプス消失、神経脱落が起きていることを示す。近年、タウ凝集阻害剤の開発が盛んに行われるようになっているが、顆粒状凝集物から線維形成を阻害する化合物は神経脱落を促進することが、判っている。また、メチレンブルーのような顆粒状構造物形成を阻害するものは認知症進行を抑制することが明らかになっている。今回の発見はタウ凝集阻害剤開発について有用な情報を提供する。
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[Journal Article] Anesthesia-induced hyperphosphorylation detaches 3-repeat tau from microtubules without affecting their stability in vivo.2008
Author(s)
Planel E, Krishnamurthy P, Miyasaka T, Li L, Herman M, Kumar A, Bretteville A, Y-figueroa H, H-yu Wai, Whittington R, Davies P, Takashima A, Nixon R, Duff K
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Journal Title
J.Neurosci 28
Pages: 12798-12807
Peer Reviewed
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