2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20025001
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 丈 Saitama University, 理工学研究科, 准教授 (60322294)
|
Keywords | フレーバーの破れ / 統一理論 / ゲージヒッグス統一 / 余剰次元 / 商空間 |
Research Abstract |
近々欧州で始まるLHC実験において、ヒッグス粒子が見つかると期待されている。標準理論の枠内では、かなり不自然に見える形で導入されているスカラー粒子だが、それを自然に説明する模型の枠組みの一つとして、高次元のゲージ理論を考えそのゲージ場の余剰次元方向の成分であるとするゲージヒッグス統一という考え方がある。この考え方に乗っ取り、これまでほとんど試みられたことのないS2という余剰空間上で、SO(12)統一理論を考えた。この研究では、通常は考えない境界条件の取り方についても詳しく検討し、それをうまくとることによって、標準理論一世代が自然に出てくること、ヒッグスも標準理論のそれが導けることを見た。 また、このような商空間を余剰次元として持つ模型の一般論として、Coset Space Dimensional Reduction法というのがあるが、それに則って、他にどのような模型が可能かについて、商空間の次元が10次元である場合に、全ての商空間に対して調べた。 また、LHCで様々な粒子が新しく発見されると期待されているが、その有力な候補である超対称標準理論に現れるタウレプトンの超対称パートナーであるスタウの性質について深く考察した。パラメタ次第で、大変長寿命になるが、一方でニュートリノ振動実験よりレプトンフレーバーに破れがあることが分かっていて、それにより寿命がフレーバーが保存している場合に比べて長くなることなど、その性質がそのように反映するかについて詳細に調べた。
|