2008 Fiscal Year Annual Research Report
高次元ゲージ場としてのHiggsとフレーバーの物理
Project/Area Number |
20025005
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 青司 Kobe University, 理学研究科, 教授 (80201870)
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Keywords | 高次元理論 / Higgs / フレーバー / Gauge-Higgs |
Research Abstract |
Higgsとゲージ粒子というスピンが1だけ違うボゾンを高次元ゲージ理論の枠組みで統一するGauge-Higgs Unificationのシナリオは、素粒子理論の大問題である「階層性問題」の超対称性を用いない新たな解法を与えるという意味でも大変興味深い。当該研究の目的は、こうした新しい素粒子理論の方向性を与えうるGauge-Higgs Unificationについて、特にフレーバーの物理や、CP対称性の破れに関わる物理量、等に関するシナリオ特有の予言を議論することである。 今年度、幾つかの研究成果を得たが、主なものを挙げると、以下の様な具体的研究成果が得られた : 1. 有限な異常磁気モーメント このシナリオでは、フェルミオンの異常磁気能率が時空の次元に依らず有限値として計算可能なことを前の論文で示したが、標準模型を包含する現実的モデルを用いて、紫外発散の相殺のメカニズムを解明した(arXiv:0901.2229[hep-ph],Phys.Rev.Dに掲載決定)。更に、この解析をCP対称性の破れによって生じる電気双極子能率に適用した議論を行い、現在論文を準備中である。 2.湯川結合への量子補正 フレーバーの物理は湯川結合によって生じる。この高次元理論をにおいては湯川結合は本来ゲージ結合であるが、量子効果によって"Gauge-Yukawa universality"の有限な破れが生じ、トップクォーク質量を得ることが出来ることを指摘し、アーカイブに掲載した(arXiv:0904.0304[hep-ph])。
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Research Products
(3 results)