2008 Fiscal Year Annual Research Report
液体キセノン用パルス管冷凍機の高冷凍能力化・高効率化の研究
Project/Area Number |
20025009
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
春山 富義 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 教授 (90181031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠見 勝祐 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (50391727)
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Keywords | 熱工学 / 流体工学 / 小型冷凍機 / 液体キセノン / パルス管 |
Research Abstract |
本研究は素粒子実験や医療用 PET (陽電子放出断層解析)等において高感度γ線検出媒体となる低温液体キセノンの冷却を行うための小型パルス管冷凍機の高冷凍能力化、高効率化に関するものである。 比較的高い温度(〜165K)の低温を発生させる小型冷凍機の冷凍能力と効率向上を目指し、これまでに開発した液体キセノン用パルス管冷凍機における損失の改善を図ることを目的とする。 具体的にはこれまでに開発した高冷凍能力をもつ165Kのパルス管冷凍機をベースにして、冷凍機内の作動流体流れの均質化、流体の位相制御、圧力波形の制御を中心に実験を行い、それぞれの損失改善に及ぼす影響を調べた。 (1)パルス管内流体流れの均質化の影響 通常の同軸型パルス管と異なり、内側に蓄冷器、外周のドーナツ断面空間をパルス管としているため、オリフィス弁に抜けるガス通路が1つしかなく、パルス管内での不均一流れが予想された。このため管内の作動ガス(ヘリウム)流れ状態を把握するためパルス管外壁温度分布を測定しながら、オリフィス弁への抜け穴を1つ(従来型)と2つ(改良型)の場合について実験を行った。その結果、2つ穴の場合、外壁上で180度ずらした位置の壁面温度差が、9度から6度に縮まり、冷凍能力が10%程度増加した。 (2)蓄冷器損失の低減の影響 必要とされる動作温度が165Kと高いので蓄冷器メッシュ、寸法を変えて冷凍性能を測定した。その結果、従来に比ベメッシュサイズが同一で半分の長さの蓄冷器の場合、最低温度が従来より20度程度高くなったが温度-冷凍能力の傾きが大きくなった。メッシュサイズの検討により性能改善が期待できる。
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