2008 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼プラズマからのイオンサイクロトロン放射機構の解明
Project/Area Number |
20026002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
市村 真 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (10151482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 裕資 筑波大学, プラズマ研究センター, 研究員 (10466675)
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Keywords | イオンサイクロトロン放射 / 核融合反応 / アルベン速波 / アルベン遅波 / 波動励起 |
Research Abstract |
日本原子力研究開発機構のトカマク型実験装置JT-60Uにおいて、ICRFアンテナをピックアップループとして用い、核反応生成イオン(T, ^3Heイオン)に起因するイオンサイクロトロン周波数帯の自発励起波動(イオンサイクロトロン放射 : ICE)のデータ収集をいろいろな放電条件下で行った。本研究の最大の特徴は、励起波動の磁力線方向波数を実験的に決定できることである。これまでに、JET及びTFTRの核燃焼実験で観測され、理論的に検討されたICEの励起機構とは異なる、新たな機構が存在することが示唆されており、平成20年度においては、複数個のアンテナ素片間の位相差の同時計測を実施し、分散関係の導出に不可欠な精度良い波数計測を行った。周波数が低いTイオンに起因するICEの波数が、より高周波の^3Heイオンに起因するICEの波数と比べて大きいことを同一放電条件で明らかとした。これまでに最も可能性が高いとされてきたアルベン速波の励起ではない、アルベン遅波に属する波動励起であることが明らかとなった。実験的観測からその励起機構を議論するためには、局所的なプラズマパラメタを用いた分散関係を理論的に導出する必要があり、波動が励起される最外殻磁気面付近でのイオン速度分布関数を評価するために、核反応生成イオンの軌道解析に着手した。また、これまで報告されていなかった核反応生成イオンであるH-イオンに起因するICEをより高密度領域の放電で観測し、その周波数と有限な波数からDイオンの2倍高調波と分離して同定した。重水素核融合反応により生成されるすべての高エネルギーイオン(H, T, ^3He)に起因するICEが同定されたことにより、正確な励起機構の解明が可能となった。
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Research Products
(8 results)