2008 Fiscal Year Annual Research Report
誘導ブリルアン散乱位相共役鏡を用いた高時間分解トムソン散乱計測法の開発
Project/Area Number |
20026011
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
波多江 仰紀 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (10343914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成原 一途 自然科学研究機構 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (90109356)
吉田 英次 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 技術専門職員 (30397781)
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Keywords | プラズマ計側 / トムソン散乱 / 誘導ブリルアン散乱 / 位相共役鏡 / YAGレーザー / マルチパストムソン散乱 / 燃焼プラズマ / SBSパルス圧縮 |
Research Abstract |
本研究では、レーザービームを一対の誘導ブリルアン散乱(SBS)位相共役鏡の間に閉じ込め、位相共役鏡間にレーザー光を往復させ、プラズマを通過中に複数回トムソン散乱させること(マルチパストムソン散乱)により、バースト的な高時間分解のトムソン散乱計測を実現し、この手法を確立することを目的として研究を進めている。本年度の主な成果は次のとおり。 1. 大型ヘリカル装置(LHD)において、原理実証試験を行うために必要な機器構成を決定し、必要な設計を行った。位相共役鏡は単一縦モードのレーザー光を用いなければ高い反射率(95%以上)を安定に得ることができない。そこで、既存の単一縦モードYAGレーザーを主発振器とし、そのレーザー光を別のレーザー装置の増幅器で増幅する、マルチパストムソン散乱専用のレーザーシステムの構築を行った。主増幅部に位相共役鏡を組み込みダブルパス増幅を行った結果、10Hzで1.86J、25Hzで1.16Jの出力エネルギーを得た。レーザー装置に組み込んだ位相共役鏡は25Hzの繰り返しでも安定に動作し、96.7%の反射率を得て、LHDにおけるマルチパストムソン散乱計測実現への見通しを得た。 2. 先進的なマルチパストムソン散乱計測に応用可能な、SBSパルス圧縮技術の開発を行った。緩和時間約0.2nsのSBS媒質(フロリナートFC-40)を用い、波長1064nm、入射エネルギー約1J、パルス幅13nsのレーザービームを、SBSパルス圧縮した結果、最大反射率:約80%、最小パルス幅:約160ps、最大圧縮率:約84倍(輝度67倍)、ビーム品質:回折限界の1.3倍程度を達成した。本方式により1064nmのレーザー光を160psまで圧縮したのは世界初であり、意義深い。併せて、この計測に応用可能なフーリエ分光システムの要素開発も行った。
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Research Products
(17 results)