2008 Fiscal Year Annual Research Report
単一分子伝導性評価のためのアダマンタン分子三脚-分子ワイヤー連結系の創製
Project/Area Number |
20027006
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
北川 敏一 Mie University, 大学院・工学研究科, 教授 (20183791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 克幸 三重大学, 生命科学研究支援センター, 准教授 (80208793)
岡崎 隆男 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90301241)
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Keywords | 分子三脚 / 金-チオール結合 / 単分子膜 / アダマンタン / フェロセン / 金(111)面 / 分子ワイヤー / 電子移動速度 |
Research Abstract |
1) 拡張型分子三脚の合成 先に我々が開発したアダマンタン分子三脚の3つの脚CH_2SHをC(CH_3)_2SHに置き換えた三脚形トリチオールを合成し、その自己組織化単分子膜(SAM)を作製した。この三脚は、分子の周囲に張り出した置換基により、広い分子間距離でSAMを形成すると期待される。実際、チオラートの還元的脱離の観測により吸着密度を測定したところ、膜上の分子間距離がメチル基を持たない場合よりも25%広がり、分子あたりの占有面積が増大することが確認された。この結果、サイズの大きな機能分子ユニットを三脚に連結した場合でも、隣接分子間の相互作用がない状態で各分子を基板に固定できることが示された。 2) 分子三脚-フェロセン連結体の合成とそのSAMの精密解析 アダマンタン分子三脚の第4の橋頭位炭素にp-フェニレンエチニレン基を介してフェロセンを連結した分子を合成し、そのSAMを作製した。サイクリックボルタンメトリーによる特性評価の結果、吸着分子の表面密度はフェロセンの連結により変化しないことが示された。このことにより、アダマンタン炭素骨格の剛直性とp-フェニレンエチニレンリンカーの硬い棒状構造によってフェロセンユニットを一定間隔で固定できることが示された。また、膜上のフェロセンユニット間の相互作用は無視できるほど小さく、各ユニットの独立性が保持できることが示された。リンカーの分子ワイヤーとしての特性を評価するために、交流インピーダンス法によりフェロセンユニットからAu基板への電子移動速度を測定した結果、測定可能限界(10^6 s^<-1>)を超える大きな速度であることが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)