2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20028001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷田 聖 Kyoto University, 理学研究科, 助教 (00360587)
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Keywords | 実験核物理 / 放射線・X線・粒子線 |
Research Abstract |
本年度はシリコンストリップ検出器の設計を行った。Atlas実験の開発したセンサーとCMS実験が開発したAPV25チップを組み合わせることで、放射線耐性、レート耐性、時間分解能、位置分解能の全てにおいて所期の目的を達成できる見通しがついた。すなわち、位置分解能23μm程度(ワイアチェンバーを用いた場合の10倍程度)、時間分解能5ns以下(10Mcpsの環境におけるアクシデンタルヒット率5%以下)の性能を10Mcpsのビーム強度において保つことができ、なおかつこの状況下で3年ビームを当て続けても検出器が動作し続けるであろうという見通しが得られた。原理的には100Mcpsまで対応できるものと考えている(ただしその場合、放射線ダメージによって、数か月程度でセンサーが壊れる可能性がある)。この見通しのもと、検出器のデザインを進め、試作品の設計を完成させた。また、必要な部品を全て入手することにも成功した。現在試作品の製作を進めている。 さらに、これらの読み出し回路についても設計を行い、VMEベースの読み出しシステムの製作を行った。現在は1イベントずつの読み出しを行っているが、将来的にはゼロサプレッションを行って、数千イベントをまとめて読みだすシステムにするべく開発を続けている。また、J-PARCにおける実験において実際に使うためには、読み出しシステムを全体のDAQに対応させる必要もあり、その開発も並行して行っている。
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Research Products
(1 results)