2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20028007
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
肥山 詠美子 The Institute of Physical and Chemical Research, 肥山ストレンジネス核物理研究室, 准主任研究員 (10311359)
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Keywords | ハイペロンー核子間相互作用 / ハイパー核 |
Research Abstract |
現在、ハイパー核物理分野では、「精密な構造研究から、不定性の大きなハイペロン(T)一核子(N)、ハイペロン(Y)-ハイペロン(Y)相互作用を決定する」という大きな研究目的の基に、実験・理論の強力な協力体制の下、ハイパー核物理研究は着実に発展している。特に、2008年J-PARCプロジェクト稼動を視野に入れたハイパー核物理学の重要課題は、ΞN相互作用の決定のためのグザイハイパー核の構造研究である。申請者の研究目的は、申請者のこれまでの構造研究の経験を大いに生かし、未発見グザイハイパー核を精密3体・4体問題に基づいて構造研究を行うことによって、未知の部分の多い、ΞN相互作用の研究に貢献することである。そこで、平成20年度は、11^B+Ξハイパー核(12^Be_Ξ)をa十α十t十Ξの4体模型の基づき、また、A=7〜10のグザイハイパー核をα+Ξ+N+X(=n,p,d,t,3^He,α)の4体模型に基づいて、エネルギー準位を予言する。この際に用いるΞN相互作用は、11^BあたりのΞの一体ポテンシャルの深さが14MeVという実験データを再現する2種類のポテンシャルを使用する。これらのグザイハイパー核の中で、理論的に束縛状態が存在する場合は、束縛するメカニズムや、ΞN相互作用のどの部分に対して知見が得られるかについて考察を行った。本研究業績は、Physical Review Cに掲載された。
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