2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20029010
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高木 丈夫 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (00206723)
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Keywords | 経路積分 / ヘリウム / 量子固体 / 超流動 / 量子渦 / 固液転移 / 制限された空間 / 低次元 |
Research Abstract |
グラファイト上に吸着したヘリウム粒子の4/7構造の安定性を経路積分モンテカルロ法により調べた。グラファイト第1層目にヘリウム4粒子を吸着し、第2層目にヘリウム3粒子を吸着した4/7相に対して、経路積分から得られる粒子密度分布を用いてBinderパラメーターを計算し、そのサイズ依存性から系の構造に関する情報を得た。その結果、系の融点は1Kであり、それよりも低温相においてもBinderパラメーターはサイズ依存性を持ち、準長距離秩序を持つ系であることが理解された。それより高温では、ドメイン液体的に振る舞った。この結果は低温国際学会(LT25アムステルダム)で発表し論文にした。さらにこの系に対して過剰粒子と空孔を加えた結果、過剰粒子の付加に対して系は極めて不安定で、1%の粒子付加で4/7相の秩序は消失した。一方で空孔の注入に関しては2%まで安定であることが判り、このことを結果報告会で発表した。過剰粒子と空孔に対する不安定性については現在論文を執筆中である。 超流動^3He-A相の多重渦に関しては、渦の侵入と退出に関する回転速度との関係を計算し、さらにNMR信号の計算手法を開発して、その理論予測と実験結果を、実験家達と共著でLT25において発表をした。実験と理論との整合性は極めて良く、現象に対する正しい理解が与えられていると思われる。現在、理論面からの考察結果を論文にして投稿中である。さらに現在、超流動A相のもつIntrinsic Angular Momentumに関する論文を、実験データとの整合性を考察しながら、作成中である。
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Research Products
(14 results)