2008 Fiscal Year Annual Research Report
量子渦糸乱流の大規模シミュレーションによる研究II
Project/Area Number |
20029019
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
町田 昌彦 Japan Atomic Energy Agency, システム計算科学センター, 研究主幹 (60360434)
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Keywords | 計算物理 / 原子・分子物理 / 物性理論 / 低温物性 / シミュレーション工学 |
Research Abstract |
近年希薄原子ガスにおけるポーズ・アインシュタイン凝縮の成功により、巨視的量子現象の直接観測が可能となり、量子ダイナミクス、延いては、量子力学に対する根本的理解が飛躍的に進歩する可能性が開けてきた。このように、大きな飛躍への転換機にある巨視的量子ダイナミクスの研究に対し、更に研究を加速させ、新しい概念形成を目指すため、本研究では超大規模数値シミュレーション(テラフロップス及びテラバイト級の世界最大のシミュレーションを行う)による量子ダイナミクスの研究を行うこととした。平成20年度、本研究で具体的に研究を実施した対象は、希薄原子ガス及び超流動ヘリウムにおいて共通に現れダイナミクスを支配する量子渦糸の多体ダイナミクスであり、研究代表者(坪田誠氏)と密接に協力し、超大規模シミュレーションを地球シミュレータ等を利用し、量子乱流状態のスペクトル解析を行った。特に、前年度までに得られたコルモゴロフスケーリングが高波数で破れた部分について、それが数値計算による産物であるか、物理的に本質的なものであるかについて詳細に追試シミュレーションを行い検証し、後者(即ち、物理的に本質的なもの)であることを突き止めた。
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Research Products
(9 results)