2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20030003
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
奥西 巧一 Niigata University, 自然科学系, 助教 (30332646)
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Keywords | スピン / 擬一次元 / 強磁場 / 状態密度 / カイラリティー / くりこみ群 |
Research Abstract |
擬1次元系の低エネルギー状態の特徴を調べるために、マルチカノニカル法にもとづく拡張アンサンブルの考え方を擬1次元系に拡張した、2次元の状態密度をもちいたWang-Landauアルゴリズムを構成した。これにより鎖内および鎖間の結合定数のエネルギースケールのギャップを取り扱うことが可能になった。さらに得られた2次元状態密度にもとづいて擬1次元イジング模型の有限サイズ効果を解析し、相転移現象への擬1次元性の影響を明らかにした。これらの成果は日本物理学会欧文誌に出版予定である。 次に、1次元量子スピン系において、マルチフェロイクスなどの観点からベクトルスピンカイラリティーの秩序が興味を集めているが、これまで秩序パラメーターが直接計算された例は無かった。本研究ではスピン回転をともなうユニタリー変換をほどこし、スピンの位相を調整することで密度行列繰り込み群などの数値的手法をもちいてベクトルスピンカイラリティー(スピン流)を直接計算することを可能にした。これによりジグザグスピン鎖の基底状態におけるカイラル秩序の量子相転移点を決定し、Z2対称性の破れにともなうユニバーサリティーであること特性を明らかにした。また、同様に磁場中において磁場誘起カイラル秩序相が存在することも示した。この研究成果は日本物理学会欧文誌に発表した。
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Research Products
(3 results)