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2009 Fiscal Year Annual Research Report

強磁場の創る新奇スピン秩序状態の理論解析

Research Project

Project/Area Number 20030003
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

奥西 巧一  Niigata University, 自然科学系, 助教 (30332646)

Keywords強磁場 / 磁場誘起非整合秩序 / モンテカルロシミュレーション / 密度行列くり込み群
Research Abstract

BaCo2V2O8における磁場誘起新奇非整合秩序の発見をうけ、疑1次元量子スピン系における磁場誘起相転移と、それにともなう新奇スピン秩序状態の解明が重要な論点となっている。本研究課題では、とくに、スピンのイジング異方性の役割と1次元性との兼ね合いの観点かち、疑1次元古典スピン系の熱相転移の特徴をモンテカルロシミュレーションなど計算物理的手法を用いて明らかにした。
具体的には拡張アンサンブルにもとついたWang-Landau法を、鎖方向と鎖間方向に対応した2次元状態密度に拡張し、シミュレーションを行った。この2次元状態密度の状態分布から疑1次元系特有の比熱のピーク構造を抽出することができた。さらにこの結果より疑1次元系のスケーリング解析における一般的な注意点を明示的にまとめた。次に、連続スピン自由度をもつ疑1次元古典XXZ模型の磁場中相転移についても同様の解析を行った。通常の3次元での古典XXZ模型は磁場によりスピンフロップ転移を起こすことが知られている。しかし、スピンフロップ転移は1次相転移であり、通常のモンテカルロシミュレーションで扱うことは困難であったため、鎖間結合により弱く結合したXXZ鎖がどのような相転移を起こすのかはながらく非自明な問題として残されてきた。本研究では磁化についての状態密度に対してWang-Landauシミュレーションを行うことで問題の解決をはかり、系統的に磁場中相転移を調べることが可能にした。最終的に疑1次元古典XXZ模型の磁気相図の鎖間結合依存性を明らかにし、3次元的な特徴が疑1次元古典XXZ系でも保持されることが分かった。この結果、BaCo2V2O8で見られた新奇秩序は純粋に量子効果により誘起されていることが確認できた。

  • Research Products

    (3 results)

All 2010 2009

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Wang-Landau simulation of the quasi-one-dimensional spin systems2010

    • Author(s)
      K.Okunishi, T.Tanabe
    • Journal Title

      J.Phys.Conf.Series 200

      Pages: 022043(4)

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Wang-Landau simulation for the quasi-one-dimensional Ising model2009

    • Author(s)
      T.Tanabe, K.Okunishi
    • Journal Title

      J.Phys.Soc.Jpn. 78

      Pages: 054002(5)

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 密度行列くり込み群を用いたフラストレーション量子スピン系の磁化過程の研究2010

    • Author(s)
      奥西巧一
    • Organizer
      日本物理学会年次大会
    • Place of Presentation
      岡山大学
    • Year and Date
      2010-03-21

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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