2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20031023
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森川 全章 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (10363384)
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Keywords | イオン液体 / タンパク質 / マイクロカプセル / 界面化学 |
Research Abstract |
本年度は, 当初の研究計画に基づいて, まず親水性イオン液体, 疎水性イオン液体, および水(牛血清アルブミン(BSA)水溶液)から成る3成分混合系の相図を作成した. 親水性イオン液体として1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロリド(bmimCl), 疎水性イオン液体として1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(bmimTFSA)を用いた. 得られた相図に基づいて, bmimCl, bmimTFSA, BSA水溶液を所定の組成比で混合し, 激しく攪拌することにより, BSA水溶液の液滴を形成させた. このエマルションにグルタルアルデヒド水溶液を加えてBSAを架橋した. その後, エタノールアミン水溶液を加えて, BSAマイクロカプセルを一段階で水中に抽出した. 走査型電子顕微鏡(SEM)観察により, BSAカプセルの粒子径を評価した. その結果, bmimClとbmimTFSAの組成比に依存してカプセルの粒子径をサブミクロンレベルで制御できることがわかった. 次に, 塩を添加したときのタンパク質カプセルの粒子径変化について検討した. βラクトグロブリンマイクロカプセルを上記の手法により作製し, 純水中に懸濁させた. ここへ様々な塩を添加し, カプセルサイズの変化を共焦点レーザー顕微鏡により, in-situで観察した. その結果, 塩の種類や添加濃度に依存してカプセルのサイズが変化することを見出した. このようなタンパク質カプセルの"動的な"粒子径変化は, DDSをはじめとするライフサイエンス分野へ応用するうえで非常に重要であると考えられる.
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