2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20031025
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢野 陽子 (藤原 陽子) Ritsumeikan University, 総合理工学研究機構, 教授 (70255264)
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Keywords | 表面・界面物性 / X線 / 構造・機能材料 |
Research Abstract |
一般に界面活性物質は水溶液表面に吸着し、その吸着膜の構造は界面活性物質の相互作用を反映している。イオン液体は、クーロン相互作用と分子間相互作用を併せ持った界面活性物質である。界面吸着過程における構造の時間変化を追跡することによって、イオン液体中に潜む様々な相互作用の大小関係を明らかにすることができると思われる。実験手法にはSPring-8の高輝度X線を用いた時分割反射率測定を用いる。 平成21年度は、SPring-8の溶液界面反射率計を迅速化し、従来の装置の10倍以上のスピード(1回の測定時間150秒)を実現した。液体ディスペンサーを使った自動イオン液体注入セルを用いて、0.2秒で水中にイオン液体[C8mim]Brを注入し、注入4秒後から反射率測定を行った。ところが、同時に測定していた動的表面張力の結果から、吸着平衡に達する時間が数秒であることがわかり、分オーダーの時間分解能では吸着過程を追跡できないことが判明した。そこで、時間分解能を上げるために液体フローセルを設計製作した。このセルは、液体の流速を変えることで、場所による表面張力の勾配をつけることができ、表面張力の時間依存性を流速依存性に置き換えることが出来る。 一方、平衡状態のイオン液体[C8mim]Br水溶液の反射率測定を行ったところ、水溶液表面に12Aの膜厚の[C8mim]Br単分子膜が形成されていることを観測した。
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Research Products
(4 results)