2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20031027
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
石田 干城 Institute for Molecular Science, 理論・計算分子科学研究領域, 助教 (10421950)
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Keywords | 理論化学 / 化学物理 / 統計力学 |
Research Abstract |
イオン間相互作用の特性はイオン間距離の関数である相互作用ポテンシャルの形状が近距離において陽・陰イオンのサイズにより変わる効果と、イオン間の静電相互作用とのバランスの上で決まるものと考えられてきている。これらについて分子レベルでの解釈を可能にするには理論研究が有効であると考えられ、特に、イオン液体中でのダイナミックスなどを考察する際にはコンピュータ・シミュレーションによる研究が有用である。 本研究課題の研究代表者は分子動力学シミュレーションの手法を用いてイオン液体中における陽・陰イオンの挙動に関して解析を行い、また、イオン液体中における分極効果を取り入れた形でのモデルを用い、イオン液体中でのイオン間相互作用ダイナミックスにおける分極効果の影響とその特異性について分子動力学シミュレーションにより研究を遂行した。具体的には(1)陰イオン中における重原子置換の効果に関して、分子軌道法計算を援用してポテンシャル関数を決定し、それを基に分子動力学シミュレーションの方法を用いてイオン液体中における陽・陰イオンの動的挙動を追跡することでイオン間相互作用の特性に関する研究を行った。また、(2)イオン液体中における陽・陰イオン間の相互相関を分子動力学シミュレーションにより計算してイオン間での運動量移動とその際のイオン間ダイナミックスを追跡した。さらに分極効果を取り入れた場合との比較を通じて、イオン間相互作用における分極効果がどのように表れてくるかについての研究を行い、多体効果についての重要性についての考察を行った。
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Research Products
(1 results)