2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20032003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 完次 The University of Tokyo, 人工物工学研究センター, 名誉教授 (50031133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 毅 独立行政法人産業技術総合研究所, サービス工学研究センター, 研究員 (70396802)
西野 成昭 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (90401299)
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Keywords | 価値創成 / 共創的意思決定 / ネットワーク外部性 |
Research Abstract |
我々の生活に豊かさをもたらしてくれる長期的な経済成長は,その多くが技術革新によってもたらされている.しかし,優れた技術が必ずしも社会に普及するとは限らず,技術革新によって生み出される価値が社会にどのように受容され,普及するかを理解するのは容易ではない.そこで本研究では,人工物,人,社会の相互作用から価値が創出されると捉え,技術革新とその社会受容を構成論的なアプローチで理解することを目的としている. 本年度は,年度前半で価値創成モデルの検証を行い,後半は本研究課題全体の成果をもとにして新しい技術革新創出のためのメカニズムを明らかにし,新しい方法論の提案を行った.詳細は以下の通りである. (1) 計算機実験による価値創成モデルの検証 前年度で構築した価値創成モデルをもとに,ネットワーク外部性が働く市場における製品・サービスの普及の問題を具体例としてモデルを構築し,シミュレーションによって検証を行った.ライフスタイル調査を行い,DVDレコーダや携帯電話などのネットワーク外部性に関連する複数の商品を対象に,消費者の購買に関わる情報の重要性のレベルによって分類を行った.また,それらのアンケート結果や,実際の製品出荷台数のデータ等の比較から,モデルの有効性を示した. (2) 新しい技術革新創出のための方法論構築 これまでの全ての成果をまとめ,新しい技術革新を創出するためのメカニズムとして,3種類の価値創成モデルを提案した.モデルは抽象的なシステムモデルとして構築されているので,一般化された根底の基本原理などを考察できる有用なモデルであると言える.
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