2008 Fiscal Year Annual Research Report
歩行困難者補助のための反射運動系のモデル化に関する研究
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20033004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横井 浩史 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (90271634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧田 正寿 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (40344204)
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Keywords | 歩行補助 / 機能的電気刺激 / 残存機能 / 意図推定 / 機能再建 / 人・機械・相互適応系 / 硬膜外電極 |
Research Abstract |
本研究は, 歩行困難者の歩行機能の再建に資することを目的として, 運動意図推定のための感覚運動系の解明および機能再建スキームの構築を目指している. そのため, 動物を用いた生理学アプローチと歩行補助システムを開発する工学的アプローチを平行して行っている。本年度の研究成果を下記に示す. (1) 下肢麻痺者のための電気刺激-運動系のモデル化, および, 歩行補助制御法の構築 半身不随や下肢麻痺などの感覚運動系の疾患において, 神経-筋動作が一部不能となるだけでなく, 特殊な神経-筋動作を生じる場合がある. この特殊な脊髄反射系に注目し「電気刺激による脊髄反射」と「従来の機能的電気刺激法」を組合せる歩行補助法を提案, 装置の開発を行った. 1) 下肢麻痺者の歩行補助に有効となりうる筋運動を明らかにするため, 被験者実験により電気刺激と筋運動の対応関係を明らかにした(刺激-運動系のモデル化). 2) 関節角度・踏圧・表面筋電位を計測する非侵襲型センサマルチモーダル計測装置. 更には, 歩行時のセンサデータを主成分分析し歩行補助タイミングを抽出する意図推定システムを構築した. (2) ラットを用いた感覚運動系のモデル化 ラットの感覚運動系(前頭前野-感覚運動活動-下肢筋群に伝達されるプロセス)を解明する前段階として, 長期かつ安定な計測・解析を可能とする硬膜外神経計測法の構築を行った.硬膜外神経計測法は低侵襲計測であり侵襲度を低く抑え生体への負荷を低減するものである. その上で, サポートベクターマシーンなど解析手法を用い, 侵襲計測よりも空間分解能の低い信号から充分な動作識別を実現することを試みた. ラットを用いた検証実験の結果, 硬膜外神経計測法に基づく動作識別の可能性を示した.
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