2009 Fiscal Year Annual Research Report
視覚と触覚に関する環境情報の不一致を利用した学習と制御モデルに関する研究
Project/Area Number |
20033008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 康晴 Tokyo Institute of Technology, 精密工学研究所, 教授 (10302978)
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Keywords | 生物生体工学 / 認知科学 / バーチャルリアリティ / 実験系心理学 / モデル化 |
Research Abstract |
これまでのボールキャッチングにおける落下時刻(Time to Contact : TTC)の予測に関する実験に置いて,以下に挙げることが分かっている.1.人は複数の加速度を切り替えて,適切にボールの落下時刻を予測可能である,2.高さを変えるとニュートンの法則などダイナミクスを用いた関係式により落下時刻を予測している事を示唆している.3.視覚と触覚のタイミングをずらすと,触覚のタイミングにより落下時刻の予測を変更するが,このとき,あたかも加速度が変化したように異なるダイナミクスを用いて接触時刻を予測している可能性が示唆されている.4.視覚と触覚の同時性を調べてみると,視覚と触覚のタイミングをずらした環境に適応した後は,同時だと感じる時刻も,ずらした時間とほぼ同じだけずれる.これらの事実を説明できるモデルとして,TTCの予測値と実際の衝突時刻の差を用いて学習を行なっており,加速度ごとに別々のTTC予測モデルが作られ,視覚情報(位置,速度)から,それらのモデルが切り替わるものを考えた.このモデルを確認するために,二つの加速度を学習するときに,ある加速度から別の加速度に急に切り替えるときと,気がつかないくらい小さい差で徐々に変化させるときとでは,獲得される内部モデルの数が異なるかを実験により確認した.その結果,徐々に加速度を変えた場合はTTC予測モデルが更新され一つのモデルだけで学習が行われ,急に変えた場合は,二つのTTC予測モデルが同時に獲得されることを確認した.
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[Presentation] 時間差の学習と同時性の変化2009
Author(s)
小池康晴, 米山和也, 大石圭一, 川瀬利弘, 神原裕行
Organizer
第3回 Motor Control 研究会
Place of Presentation
岡崎生理学研究所(愛知県)
Year and Date
2009-05-29