2008 Fiscal Year Annual Research Report
生工連携的手法によるメス鳥のさえずり受容・識別メカニズムの定量的理解
Project/Area Number |
20033017
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡 浩太郎 Keio University, 理工学部, 教授 (10276412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 将文 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80198655)
伊澤 栄一 慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (10433731)
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Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / 生体生命情報学 / モデル化 / システム工学 |
Research Abstract |
キンカチョウはさえずりによりコミュニケーションを行っている。従来オスキンカチョウがどのように固有のさえずりを獲得するのかについては、運動技能の学習問題として研究が進んでいる。我々のグループでは情報の送り手であるオスに対して、情報の受け手であるメスキンカチョウがどのようにオスのさえずりを認識するのかのメカニズムに注目して研究を進めてきた。特に1)pHイメージングによるさえずりに応答する神経回路の可視化、2)遺伝子銃と脂溶性蛍光色素を用いた網羅的な神経細胞可視化技術、という2つの可視化技術を併用することにより、「海馬体ではさえずり情報はどのように処理されているのか?」を明らかにするために研究を進めた。 pHイメージングよる神経応答の可視化 : 海馬体表面に刺激電極を置いて電流強度に対する神経応答を記録することに成功した。また安定してさえずり刺激に対する応答領域を可視化することが可能となった。さらに神経興奮領域の伝播方向と神経線維配向との関係について解剖学的に調べ、海馬体の神経構築を明らかにすることを進めた。 遺伝子銃と脂溶性蛍光色素を用いた網羅的な神経細胞可視化技術 : 海馬体神経回路を可視化するために遺伝子導入用の微小金粒子を脂溶性蛍光色素(Dil, Dio, DiDとそれらの2種または3種の混合物)7種により個別に染色し、遺伝子銃により脳切片標本に直接打ち込むことによる個別神経細胞の網羅的検索技術の導入を進めた。導入条件を最適化したころ、脳標本を固定しない状態で色素を打ち込むことにより、30分程度で複数神経細胞の形態を共焦点レーザ顕微鏡により効率よく取得することに成功した。
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Research Products
(8 results)