2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20033023
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
伊藤 悦朗 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 教授 (80203131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池野 英利 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (80176114)
大橋 瑞江 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (30453153)
木村 敏文 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (00316035)
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Keywords | 神経行動学 / 昆虫 / シミュレーション / モデル化 / 脳・神経 / ミツバチ / コミュニケーション |
Research Abstract |
高度な社会を構成するには、個体間の「コミュニケーション」によって、情報を共有し、知を蓄積していくことが必要不可欠である。社会性昆虫であるミツバチは餌場を他の働きバチに伝える「8の字ダンス」と呼ばれるコミュニケーションの能力をもっている。これまでの研究の結果、8の字ダンスは餌場の方角と距離を表していることがわかっており、餌場情報を仲間に伝達することで採餌の効率をあげていると考えられている。われわれはこの8の字ダンスを社会性維持のための「情報の伝搬と共有」のモデルとしてとらえ、(1)巣内外の環境変化とミツバチのダンス行動や採餌行動を詳細に観察し、(2)その結果を盛り込んだ数理モデルを構築し、(3)それをもとにコンピュータでシミュレーションし、(4)最終的にコロニーが得る利得という視点から8の字ダンスのコロニーへの効果とコロニーの環境変化への適応性を検証することを目指している。平成20年度、われわれはミツバチの採餌行動の観察から、ダンス情報を受けるミツバチは特定のダンスバチからのみ情報を受け取るわけではないこと、ダンスを連続して追随するのは多くの場合高々2回であることを見出した。さらに、われわれの行動解析から得た行動パラメータとこれまでの研究報告をもとに個体ベースの行動モデルとそのシミュレーションプラットフォームを構築した。ダンス行動に代表されるミツバチの行動は巣内外の環境に大きく依存している。そこで、巣内外の温度、湿度、二酸化炭素濃度、巣の重量、巣内のミツバチの行動を同時に経時的に自動測定するシステムを構築した。さらに、ミツバチの行動解析を効率化するために、ビデオ記録した巣内のミツバチを自動追跡するシステムを構築し、一度に500匹以上のミツバチを同定し、追跡することを可能にした。これらを組み合わせることで、環境要因とミツバチの行動を関連づけられるようになった。
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