2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミラーニューロンモデルに基づく異種感覚運動情報の統合と他者自己間行動誘発
Project/Area Number |
20033024
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
稲邑 哲也 National Institute of Informatics, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (20361545)
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Keywords | 行動認識・生成 / ミラーニューロン / 行動模倣 / ヒューマノイドロボット / 確率的情報処理 / 感覚運動情報 / 隠れマルコフモデル / 行動誘発 |
Research Abstract |
平成20年度では, 他者の運動情報から自己の感覚運動情報を誘発させるメカニズムの構成の際に問題となってくる, 他者が感じている感覚情報の推定問題に取り組んだ. 具体的には, 従来までに提案してきている, 身体運動の抽象化・認識・再生・シンボル化を行うミラーニューロンモデルを発展させ, 運動パターンのみならず, 視覚・触覚・聴覚・力覚・視線等の体勢感覚なども扱えるようなミラーニューロンモデルを他者と自己の双方で個別に構築する手段を確立し, 他者と自己の間の抽象化表現の対応関係を対話を通じてバインディングする方法論を構築した. また, この従来手法では, 他者と自己の身体構造が全く同一のものでないと適用ができないという課題点も残されていた. この問題の原因は直接観測できない他者の感覚情報と自己が感じる感覚情報のバインディングができない点にあった. そこで異なる身体を持つ他者と自己が観測可能な動作パターンを共有し, その動作を実行した際に生じる感覚情報を言語化し対話を行うことで, 相手の感覚運動パターンを推測する手法を提案した. この手法により, 身体構造が異なる場合においても, 10回程度の動作の実行と対話を行うことで, 他者が感じる感覚パターン(具体的には関節トルク)を推定する事が可能となった. これにより, 単に関節角度のように観測可能な情報だけでなく, 内部体制感覚のような観測不可能な情報を行動誘発のトリガーとして利用可能になった.
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Research Products
(12 results)