2009 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスによる骨組織のリモデリングの分子機構
Project/Area Number |
20034004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 眞理 Tohoku University, 加齢医学研究所, 教授 (20124604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 孝安 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (10221970)
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Keywords | メカニカルストレス / 骨芽組織 / SAPK / 骨リモデリング / マイクロアレイ |
Research Abstract |
メカニカルストレスは骨代謝に必須の役割を果たしており、骨形成および骨吸収両者の制御因子である。しかし、メカニカルストレスが生化学的情報として受容される機構や、細胞内シグナル伝達およびそのアウトプットについての詳細は未だ不明な点が多い。我々はこれまでにメカニカルストレスにより、ASK1(a MAPKKK)/JNK経路を介してFn14が、ASK1/p38経路を介してMCP-3が発現誘導を受けていることを明らかにしてきた。今回さらに別のMAPKKKであるTAK1を介する経路が活性化されていることを見出した。阻害剤やsiRNAを用いた実験から、TAK1がメカニカルストレス負荷による細胞内へのCaイオン流入によりCaMKIIを介して活性化され、さらにその下流ではJNK、p38及びNF-kappaBの少なくとも3経路が活性化されることが明らかになった。また、活性化されたJNK、p38及びNF-kappaBが協調的に、サイトカインIL-6の発現誘導を促すことを見出した。さらに、メカニカルストレスにより、前述のFn14、MCP-3を含め様々な炎症関連遺伝子の発現誘導が引き起こされるが、これらの発現誘導にもTAK1経由が関与していることが明らかになりつつある。IL-6、Fn14及びMCP-3はいずれも破骨細胞の分化を誘導する作用を示すことが示唆されており、これらの結果から、ASK1と同様にTAK1が骨リモデリングの制御因子としての役割を担うことが示唆された。
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Research Products
(9 results)