2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムDNA単分子解析と細胞サイズコアセルベート内での生化学反応制御・計測
Project/Area Number |
20034008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小穴 英廣 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 講師 (20314172)
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Keywords | ゲノムDNA / オプティカルマッピング / 光ピンセット / コアセルベート / ベシクル |
Research Abstract |
本研究課題においては、顕微鏡下で狙った1個の細胞から断片化させることなく取り出したゲノムDNAに対してオプテイカルマッピングを行い、探索したい塩基配列の有無、存在する場合はどの位置にあるかを迅速に明らかにするという解析手法の確立を目指している。ここでは実際に超好熱始原菌(KOD1株)をもちいて本手法の有用性を示すと共に超好熱始原菌研究に有用な情報を提供することを目的としている。また、ゲノム上でマッピングされた興味ある塩基配列部位を顕微鏡下で単分子回収し、コアセルベートを反応場とした単分子生化学反応を行う実験システムを構築することも目指している6本年度は、KOD1ゲノムDNAの複製開始領域に結合するCdc6タンパクを、2次蛍光抗体を用いてゲノムDNA上で可視化する実験を試みた。ここで、結合位置取得の分解能を良くするためにDNAを伸長する必要があるので、光ピンセット駆動微小構造体を用いて、ゲノムDNAの形態制御を行った。また、ポリイオンコンプレックスから成るコアセルベート様の微粒子を水溶液中で形成させ、溶液の条件を変化させることでベシクル様の形態を作ることが可能であることを見出した。次いで、このベシクル形成を連続的に行えるような、微細流路から成るマイクロ流体デバイスを作製し、このデバイスを用いてマイクロメートルオーダーのジャイアントベシクルを連続的に形成することにも成功した。こちらの研究成果は、国内学会および国際会議において発表を行い、概ね好評を得ることができた。
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