2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムDNA単分子解析と細胞サイズコアセルベート内での生化学反応制御・計測
Project/Area Number |
20034008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小穴 英廣 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20314172)
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Keywords | DNA / 始原菌 / Cdc6 |
Research Abstract |
本研究課題においては、顕微鏡下で狙った1個の細胞から断片化させることなく取りしたゲノムDNAにしてテイルマッピングを行い、探索したい塩基配列の有無、存在する場合はどの位置にあるかを迅速に明らかにするという解析手法の確立を目指している。 具体的には、超好熱始原菌をもちいて本手法の有用性を示すと共に超好熱始原菌研究に有用な情報を提供することを目指して研究を進めた。本年産は、「超好熱始原菌KOD1に対するDNA複製開始領域の細胞内配位解析」に焦点を絞り、1)DNA複製開始点に結合するタンパク(Cdc6)の蛍光ラベル手法確立と2)膜付着部位配列の同定に取り組んだ。 DNA複製開始点に結合するタンパク(Cdc6)の蛍光ラベル手法確立については、Cdc6抗体を蛍光標識したものをプローブとして用い、蛍光顕微鏡により、1本のゲノムDNA上のどの位置にCdc6タンパクが結合しているかを単分子解析により明らかにする実験をおこなった。 その結果、バースとした細胞の細胞膜付近と漏出したゲノムDNAが結合している部分付近で、抗体にラベルした蛍光を観測した。また、このゲノムDNA分子を微小構造体によって個別操作し、マッピングの分解能を改善することも試みた。その結果、顕微鏡視野内に浮遊するゲノムDNAを、微小構造体によって捕捉し、光ピンセットで操作可能なことの実証に成功した。 膜付着部位配列の同定については、上述の実験結果より、バースト細胞の細胞膜部分に付着しているのは、複製開始領域であることが強く示唆された。 コントロール実験も、この結果を支持するものであった。
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