2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工肝・脂肪細胞カプセルと人工小腸膜を導入した実用的オンチップ人体
Project/Area Number |
20034013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 康行 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (00235128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 輝夫 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30251474)
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Keywords | システムオンチップ / 生物・生体工学 / マイクロ・ナノデバイス / バイオリアクター / 肝ミクロソーム / 人工肝カプセル / 人工脂肪カプセル |
Research Abstract |
本年度は, 次年度に予定している動態解析実験のために, 人工肝細胞および人工脂肪細胞の作成といった個別の要素技術の確立を行った. 人工肝細胞は, ラット肝ミクロゾームをアルギン酸カルシウム・ポリリジンを用いて直径400マイクロメータ程度のマイクロカプセルに包括したものであり, ミクロゾームとアルギン酸を混合し, 攪拌している塩化カルシウム液に滴下することで容易に製作しえた, さらに表面をポリリジンと血清タンパクとで順次被覆することで, 分画分子量約2万の膜からなるカプセルを製作した。包括されたミクロゾーム中のチトクロームP4501A1/2についてその活性を評価したところ, 液中に添加したミクロゾームに比べて代謝速度定数が1/3-1/4となった. ミクロゾームに含まれている各種チトクロームが漏出しないことを, 外部液中の活性を測ることで確かめた. 以上, フリーの酵素に比べてカプセル化したものは活性が低下するが,これはカプセルの直径が400マイクロメートルと大きいためで, 今後, より小さなカプセルへと成型することで, 見かけの活性を高められると考えられる. 一方, 脂肪カプセルについては, 協力研究者の長棟輝行教授ら(東大工バイオエンジニアリング専攻)によって開発されたBAM分子の疎水性鎖の反対側にプラス荷電のアミノ基を導入した機能性高分子をまず合成した. 水相に分散したオリーブオイルエマルジョンの表面にこの機能性高分子の疎水性鎖を配位させ,表層に露出したプラス荷電を開始点としてアルギン酸・ポリリジンからなるポリイオンコンプレックスの薄膜をオリーブオイルエマルジョンの表層のみに形成しえた, 次年度は, 先に開発している3コンパートメントマイクロデバイス内に, 本年度開発した2つの人工組織カプセルと, 標的培養細胞(肺上皮細胞を予定)を導入し, モデル物質を用いた動態解析実験を行う予定である.
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Research Products
(4 results)