2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20034016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 慎一郎 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特定研究員 (50372446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 晋一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (50444104)
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Keywords | リポソーム / 膜タンパク質 / 人工細胞モデル / 人工分子シャペロン / 無細胞発現 |
Research Abstract |
本研究は, 機能性膜を自動生成する人工細胞モデルの構成と評価を目的とする. 具体的には,細胞サイズのリポソームを用い, その場で機能的な膜タンパク質を遺伝情報に従って無細胞的に合成・提示する系の構築手法と評価系を確立する. 申請者らは, これまでに巨大リポソーム内部への種々の生化学反応の封入を報告し, さらに膜タンパク質を合成し機能させうるリポソーム系へと研究を進展させてきている. 本研究では特に, エネルギー変換・物質輸送を行う機能性膜タンパク質について, 膜タンパク質の1)発現(無細胞合成), 2)局在(膜への挿入), 3)配向, 4)活性(機能)と, 5)構成されたプロテオリポソームの特性の評価を通じて, 機能性膜を自動生成する人工細胞モデルの標準的な調製法の提示を目指している. ○リポソームへの膜タンパク質合成〜直接構成 細胞間の物質輸送を司る4回膜貫通型タンパク質コネキシンについて, リポソーム環境における無細胞発現を行い, 直接構成と機能化の測定を行った. その結果, リポソームから培養細胞への物質輸送が確認された(Biomaterials,2009). ○人工分子シャペロンのアシストによる構成 疎水化多糖であるコレステロール置換プルランが水溶液中で直径20-30nmのナノゲル構造を示すことを発見し, これが変性タンパク質や無細胞合成されたタンパク質に対して人工分子シャペロン機能を示しうることを示してきている. ナノゲルを介した, 無細胞発現した膜タンパク質の保持および機能発現について, リポソーム膜への移行(局在)を測定する. このシステムが示しうる人工分子シャペロン機能を, 天然の分子シャペロン機能と比較して検討した結果を論文誌に報告した(Int. J. Biol. Macromol., 2008).
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