2008 Fiscal Year Annual Research Report
次世代マイクロチップを用いた単一リンパ球機能のハイスループット解析法の開発
Project/Area Number |
20034020
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
村口 篤 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (20174287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 裕幸 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (60186210)
小澤 龍彦 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
北島 勲 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (50214797)
杉山 敏郎 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (00196768)
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Keywords | リンパ球チップ / 感染症治療 / B細胞 / 抗体産生細胞 / 抗体遺伝子 / リコンビナント蛋白 / 抗体療法 |
Research Abstract |
本研究は、我々が独自に開発した「リンパ球チップ」という新しい抗体医療戦略を用いて、感染症患者の血液から病原菌特異的なヒトBリンパ球を効率良く同定し、そのBリンパ球の抗体遺伝子を迅速に単離し、ヒト型リコンビンナント抗体を1週間以内に作製するシステムを構築することを目的としている。「リンパ球チップ」とは、独立したマイクロウェルで構成されているアレイ(2cm角に約100万ウェル)を用いて、マイクロウェルに自動的に1つの細胞を播種し、1細胞の遺伝子発現や細胞機能等を解析するデバイスである。本研究では、この革新的なヒト型抗体の迅速な作製法をさらにブラッシュアップして、世界最速の感染症治療戦略に貢献することを目指すものである。 H20年度は、抗体分泌細胞の直接検出法(ISSAC法)の開発に注力した。抗原刺激による1細胞内のCad度の変化の検出は、抗原に対する個々のリンパ球応答を検知する有用な手段であるが、リンパ球チップの応用として、マイクロウエル内の抗体分泌細胞の分泌する抗体を直接検出する方法が考えられる。すなわち、リンパ球チップに補足された個別の抗体産生細胞が分泌する抗体を、前もってコートしていた抗ヒトIgG抗体に結合させ、次に目的の抗体を蛍光色素を標識した抗原で検出するシステムを構築し、この細胞を回収することで抗原特異的な抗体遺伝子候補をクローニングする方法である。これまでに、HEL抗体トランスジェニックマウスの脾細胞を用い、抗HEL抗体を分泌するHEL抗体分泌細胞を効率良く検出できるデータを得ている。本年度は、この系をヒトに応用することを目的とし、ヒトBリンパ球分画(CD19+細胞)から抗体産生細胞のマーカーであるCD138を指標に抗体産生細胞を濃縮し、抗体分泌細胞の検出を行うことで、血液中の抗体産生細胞を効率良く同定することが可能になった。
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Research Products
(35 results)