2009 Fiscal Year Annual Research Report
油中水滴法で作成した分子モーター封入リポソームによる運動性人工細胞モデルの構築
Project/Area Number |
20034024
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
瀧口 金吾 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 助教 (20262842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 道夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50209342)
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Keywords | 巨大人工膜小胞(リポソーム) / 細胞骨格 / 分子モーター / 細胞運動 / 光学顕微鏡 / 人工モデル細胞 / 油中水滴法 |
Research Abstract |
アクチンをはじめとする細胞骨格ネットワークは、細胞の形態調節や運動発生に重要な役割を果たしている。その機構を明らかにするための構成的アプローチとして、内部に細胞骨格蛋白質を組み込んだ巨大リボソームの作成を通して、人工細胞運動モデル系を構築する試みがなされ、その成果として、リボソーム内にアクチンとアクチン線維束化蛋白質を封入しアクチンの束を重合形成させることによって、一定の形態をリボソームに誘導できることが明らかにされてきた。しかしNatural swellingやElectroformationなどの従来の巨大リボソーム調製法では、大きな蛋白質複合体を組込めない、生物に重要なMg^<2+>のような2価の陽イオンの存在下や生理的塩強度下では作成効率が落ちる、などの重大な問題があり、分子モーターの系への導入が困難だった。 本研究ではそれらを克服するため、Spontaneous transfer法を利用することによって、任意の濃度のアクチンとHeavy meromyosin(HMM)を同時に組込んだ巨大リボソームを生理的な塩強度下で作製することに成功した。HMMはモータードメインを2個持ち、アクチン線維間に滑りを起こすことでアクチン線維の束を運動させることが出来る。分子モーターの駆動に必要なATPは、細菌由来の膜穿孔性毒素、α-Hemolysinを利用してリボソーム内に導入した。α-Hemolysinは脂質二重膜に侵入して7量体を形成し、ATPや小さなペプチドまでもが通過可能な直径が2nmを超えるチャネルを形成する。ATPの導入添加後、リボソーム内部で形成していたアクチン線維のネットワークが変形・再配置することを観察することに成功した。
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Research Products
(6 results)