2008 Fiscal Year Annual Research Report
可変スケール型バイラテラル制御による微細操作システムの構築
Project/Area Number |
20034030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横小路 泰義 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (30202394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板谷 正紀 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283687)
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Keywords | マイクロテレオペレーション / バイラテラル制御 / マスタ・スレーブシステム / 医療ロボット / 微細操作 |
Research Abstract |
本研究では, 申請者らによって理論的に確立されている可変スケール型バイラテラル制御系設計の枠組みを基にして, 既開発の微細操作システムにズーム機能付視覚システムとを統合させたシステムでの性能評価を行い, さらに眼科手術での具体的な微細操作を想定した作業を可能とするシステムを新たに構築して, 可変スケール型バイラテラル制御の有効性を実験的に評価するとともに, 特定領域研究の特徴を生かして領域内の他の研究者に対して理論的に裏付けられたマルチスケール微細操作の機能向上法の提供を図ることを目的としている. 本年度に得られた成果は以下の通りである. (1) 可変バイラテラルスケール制御と視覚システムの統合 申請者らによって構築済みの1自由度可変スケール型バイラテラル制御系とズーム機能付のマイクロスコープを備える視鏡システムとを結合させて,顕微鏡下での可変スケールでの微細操作が可能な統合システムを構築した. (2) モデル化誤差補償制御の導入 既に確立された可変スケール型バイラテラル制御系設計の枠組みでは, アームの動特性は既知としているので, アームに再現性のない摩擦などのモデル化出来ない要素があると, 制御性能の劣化の原因となっていた. その問題を解消するためのモデル化補償制御を導入し, その効果を実験的に検証した. (3) 統合システムよるユーザビリティ評価とインタフェース改良 (1) で構築したシステムを用いて, 可変スケール型微細操作システムのユーザビリティ評価を行った. 対象作業としては生体組織の微細操作を模したものとし, 位置スケールとカスケールを変更することで作業性の向上が見込めるものとした. 予備実験を通してスケール調整ダイヤルや視覚インタフェースに改良を加えた後, 複数の被験者でユーザビリティ評価を行った. その結果, 操作に慣れが必要ではあるものの, 操作に慣れた被験者であれば可変スケールの機能を用いることで作業を失敗なくかつ効率的に行えることがわかった.
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