2009 Fiscal Year Annual Research Report
可変スケール型バイラテラル制御による微細操作システムの構築
Project/Area Number |
20034030
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
横小路 泰義 Kobe University, 工学研究科, 教授 (30202394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板谷 正紀 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283687)
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Keywords | マイクロテレオペレーション / バイラテラル制御 / マスタ・スレーブシステム / 医療ロボット / 微細操作 |
Research Abstract |
本研究では,申請者らによって理論的に確立されている可変スケール型バイラテラル制御系設計の枠組みを基にして,既開発の微細操作システムにズーム機能付視覚システムを統合させたシステムでの性能評価を行い,さらに眼科手術での具体的な微細操作を想定した作業を可能とするシステムを新たに構築して,可変スケール型バイラテラル制御の有効性を実験的に評価するとともに,特定領域研究の特徴を生かして領域内の他の研究者に対して理論的に裏付けられたマルチスケール微細操作の機能向上法の提供を図ることを目的としている.本年度の成果は以下の通りである. (1) 可変スケール型バイラテラル制御則の設計指針の明確化 既に構築されていたスケールドH∞制御とゲインスケジューリング法による可変スケール型バイラテラル制御法の設計手法では,導出される解が数値的に不安定になる場合があり,重み設定が試行錯誤にならざるを得ない欠点があった.今年度は,解が数値的に不安定となる要因が力の制御性能の設定を厳しくし過ぎたためであったことを見出し,操作性に影響を与えない程度に弱い仮想ばねを介在させて要求制御性能を緩和することで数値的に安定な解が得られるようにした.これにより,制御性能の重みと実際の応答誤差,環境変動に対するロバスト性に明確な相関関係が見出されるようになり,領域内の他の研究者に対しても比較的簡単に制御系の設計が行えるような枠組みを構築できた. (2) 眼科手術用専用マイクログリッパの開発 眼科手術の中でも,特に微細な操作が要求される内鏡界膜剥離を作業対象に選び,専用の鉗子を改造して超小型モータで駆動可能なマイクログリッパを設計試作した.このマイクログリッパには静電容量型の微小力センサが組み込まれており,本研究で構築した可変スケール型微細操作システムに組み込んで,実際に内鏡界膜剥離手術を行うことが可能となる.
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