2008 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経再構築法の確立に向けた環境-細胞間インターラクトーム解析
Project/Area Number |
20034031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 功一 Kyoto University, 再生医科学研究所, 准教授 (50283875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
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Keywords | 中枢神経 / 再生医療 / 細胞接着分子 / 神経幹細胞 / ラミニン / インテグリン / タンパク質工学 / 抗体アレイ |
Research Abstract |
細胞接着分子は、細胞が外部シグナルを受容するための最も重要な装置である。細胞接着分子の発現プロファイルとその変遷を分化状態や環境因子と対応させて知ることは、幹細胞の分化を利用した組織再生法の確立にとって重要である。そこで、まず、従来法であるRT-PCR法、蛍光免疫染色法、ウエスタンブロッティング法に加えて、抗体アレイ法による分析を用いることによって、神経幹細胞を含むニューロスフェア細胞の表面に発現する細胞接着分子の発現プロフェイルを分析した。それらの分析の結果、本細胞には、様々な細胞接着の発現していることがわかった。とくに、α3、α6、およびβ1インテグリンの発現には、以下に述べるような細胞移植用材料の設計にとって重要な示唆を与えるものであった。 神経組織再構築過程における細胞接着シグナルの機能について理解を深め、また、中枢神経再構築法の確立につなげるため、α3β1インテグリン複合体のアゴニストとして機能することが報告されているラミニン由来のPPFLMLLKGSTR配列を、融合タンパク質として連結したコラーゲン結合ドメインを介してコラーゲンに組み込んだ。このような基材上では、神経幹/前駆細胞がペプチドに依存して接着することが示された。さらに、ペプチドを組み込んだコラーゲンゲル内では、細胞の生存率の向上することが示された。以上の結果は、このようなポリペプチド複合化したハイドロゲルの脳内移植用材料としての可能性を示すものである。
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