2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20034043
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井藤 彰 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (60345915)
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Keywords | ティッシュエンジニアリング / 磁性ナノ粒子 / 細胞シート / パターニング / 再生医療 / 抗菌ペプチド / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
本年度は申請書の実施計画に従って、以下の研究課題を中心に研究を進めた。 1. マイクロパターン化した血管内皮細胞を含む細胞シートの作製と評価 筋芽細胞株C2C12細胞および贋帯静脈血管内皮細胞HUVECに、磁性ナノ粒子を取り込ませて磁気ラベルした。磁気ラベルしたC2C12細胞を、磁石を設置した超低接着性培養皿に播種した。播種された細胞は、培養皿底面に接着することができないために、細胞間で結合・接着をはじめて、筋芽細胞シートを形成した。さらに、マイクロパターン化磁石を培養皿底面に設置して、磁気標識した血管内皮細胞を筋芽細胞シート上に播種することで、HUVECを筋芽細胞シート上にパターニングすることに成功した。その後、さらに磁気標識したC2C12細胞をその上に播種して、磁石を設置することで、パターン化血管内皮細胞を含む三次元筋芽細胞シートを作製することに成功した。 2. 機能性表皮細胞シートの創製 ヒト表皮角化細胞由来の抗菌ペプチドHBD(ヒトβディ・エンシン)-3の遺伝子をクローニングして、レトロウイルスベクターに組み込んだ。レトロウイルスベクターを感染させたヒト表皮角化細胞株HaCaT(HaCaT/HBD3)の培養上清は、大腸菌に対して約50%の増殖阻害活性を示した。さらに、HaCaT/HBD3細胞を磁性ナノ粒子と磁力を用いて、三次元表皮角化細胞シートを作製したところ、大腸菌に対して抗菌活性を示したことから、表皮角化細胞に抗菌ペプチド遺伝子を導入することで、移植時の細菌感染を防御する機能性培養表皮細胞シートを作製することができると考えられる。
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