2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20034056
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Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
吉川 祐子 International Pacific University, 次世代教育学部, 教授 (80291871)
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Keywords | 単一分子観察 / 長鎖DNA / ナノバイオ / 環境応答 / DNAの高次構造 / DNA損傷 |
Research Abstract |
細胞内において、染色体DNAは、細胞分化、癌化、細胞周期などにより、著しくその形態を変化させることから、その構造特性を明らかにすることは、細胞機能を理解する上での重要な鍵となっている。しかしながら、ゲノムDNAのμmスケールでの高次構造変化と、nmレベルの一次、二次構造変化を統一的に捉える研究はその重要性に関わらず遅れている。 本研究では、長鎖DNAの高次構造変化を実時間で"その場"計測するといった、本申請者らが発展させてきた実験手法の活用、さらに、ミクロ流路やレーザートラップなどのミクロ操作手法も用いることにより、ゲノムDNAの構造と機能が、環境に応答してどのように変化するのかを明らかにすることを重要な課題としている。さらにミクロなスケールの生化学実験系を構築し、細胞サイズのリン脂質小胞を用いたモデル細胞系や実際の細胞を用いた研究の推進も目指している。 結果として、以下のような成果が得られた。 (1)DNAの高次構造を制御したin vitroの実験系を用いて、ガンマ線照射によるDNA損傷の定量的計測を行い、DNAの高次構造と損傷の関係を明らかにした。放射線超耐性菌では、ゲノムDNAの高度な凝縮秩序構造が、環境ストレス耐性機構に深く関わっているとの報告もあることから、今後は、1分子レベルでのDNAの折り畳み構造の多様性と放射線感受性についての基礎的研究を進めながら、細胞レベルでの酸化ストレス耐性機構の解明を目指したい。 (2)レーザートラップ法を応用すると、溶液環境の変化による長鎖DNAの高次構造制御やカチオン性薬物による抗菌活性の迅速簡易評価が可能なことを示した。
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Research Products
(13 results)