2008 Fiscal Year Annual Research Report
疑似細胞膜を用いた免疫細胞活性化シグナル伝達の細胞内1分子イメージング定量解析
Project/Area Number |
20034058
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
十川 久美子 The Institute of Physical and Chemical Research, 1分子イメージング研究ユニット, ユニットリーダー (20291073)
|
Keywords | 蛍光観察 / 1分子イメージング / 免疫細胞 / 抗原提示細胞 / 免疫シグナル / 人工脂質二重膜 |
Research Abstract |
免疫細胞(T細胞)は、特異的抗原刺激に対応し、刺激の種類・強度依存的に不応答から活性化そして過剰活性化による細胞死まで多様な応答を示す。細胞問相互作用により提示される特異的抗原による活性化機構の解明には、刺激源である抗原提示細胞の模倣系を用いて刺激成分を制御することが有用な手段となる。抗原提示細胞由来のMHC一抗原ペプチド複合体、接着分子などを人工脂質二重膜に埋め込むことで、抗原提示細胞表面の模倣系を構築した。これにより、実際の細胞接触面でのイベントをガラス表面に再現できた。一方、免疫細胞活性化に有効な微弱刺激による応答は、個々のシグナル伝達蛋白質の1分子レベルでのリアルタイム観察および解析により詳細に調べることができる。我々の開発した蛍光1分子顕微鏡システムは、全反射照明法による細胞表面および薄層斜光照明法による細胞内部について低背景光の鮮明な画像を得る利点を有する。模擬抗原提示細胞系と蛍光1分子顕微鏡システムの組み合わせにより、刺激時の免疫受容体蛋白質およびシグナル伝達タンパク質の動的解析を行い、活性化初期過程において数十分子からなるTCR(T細胞受容体)マイクロクラスター形成が活性化に重要であることを示した。 今回、人工脂質二重膜に補助刺激因子を追加し、動的解析を行ったところ、TCRシグナルと同様、補助因子シグナルについても同様の集積が見られ、時間と共に細胞内での集積部位が異なり、時間的空間的に制御されていることが分かった。
|
Research Products
(17 results)