2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20034059
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 慶恵 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (10202269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 浩章 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点講師 (90415547)
|
Keywords | 1細胞 / タンパク質定量 / PDMS / マイクロウェル |
Research Abstract |
1細胞内に含まれるタンパク質の量や酵素活性の解析は、細胞レベルの生理学的、病理学的研究に重要である。現在使われている細胞溶解法は、溶解液が非常に希釈されてしまうため、そのまま1細胞実験に応用することはできない。そこで我々は、1個の細胞を容積が10-30ピコリットルのマイクロウェル中に閉じこめ、その中で市販の溶解液を使って細胞を溶解後、細胞中に含まれているタンパク質を定量したり、細胞中に含まれている酵素の活性を測定したりする方法を開発した。マイクロウェルは、20-40マイクロメートル四方、深さ20マイクロメートルのくぼみが多数ある、厚さ1ミリのpoly-dimethylsiloxane(PDMS)製のシートをカバーガラス上に接着させることによって作製した。このマイクロウェル中に細胞を閉じこめ、その中で溶解したり、数時間培養することも可能である。さらに、抗体を結合させたビーズを光ピンセットで操作し、基板上に光化学反応で固定することによって、ウェル内に、数一数十種類の異なる抗体ビーズをアレイ化することもできる。我々は、このシステムを使って、1細胞をウェル内で溶解し、そこに含まれる抗原タンパク質を抗体結合マイクロビーズと、蛍光標識二次抗体を組み合わせて検出できることや、蛍光基質を使って、細胞に含まれるタンパク質分解酵素の活性を測定できることを示した。今回我々が開発した方法を用いることによって、個々の細胞の遺伝的な違いや、細胞による様々な活性のばらつきなどの研究に役立つと考えている。
|
Research Products
(8 results)