2009 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスレーザー誘起断熱励起過程による次世代半導体ナノ表面の非熱的改質プロセス
Project/Area Number |
20035009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
節原 裕一 Osaka University, 接合科学研究科, 教授 (80236108)
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Keywords | ナノ表面改質 / 半導体活性化プロセス / フォノン励起 / 超短パルスレーザー照射 |
Research Abstract |
本研究では、従来の熱的なプロセスが抱える上述のような技術課題に対するブレークスルーを探ることを目的とし、新材料系におけるナノヘテロ構造形成にも整合したナノ表面改質技術の確立を目指し、特に、超短パルスレーザー照射による低温再結晶化過程の解明ならびにSiナノ表面改質特性の解明に主眼を置いて研究を進めてきた。まず、ドーパント注入層の断面TEM観察を行ったところ、Geイオンの高濃度注入により非晶質化した深さ約10nmまでの領域は、それよりも深い領域での格子と整合した固相エピ成長に類する状態で、表面まで再結晶化し、シート抵抗もas implantedでの高抵抗の状態から低抵抗まで活性化させることが可能であることを示している。また、本実験では、パルス幅が短いほど、より活性化の度合いが高いことを示しており、本研究でのドーパント活性化プロセスが、パルス幅すなわち励起される周波数領域(パルス幅の逆数)に依存したプロセスであることを示唆している。さらに、Applied Materials Inc.が発表している1ms程度のdwell timeでのレーザー加熱によるドーパント活性化に関する実験データ(S.B.Felch等,Nucl.Instr. and Meth.in Phys.Res.B237(2005)35.)と比較を行ったところ、1ms程度の長時間のレーザー加熱アニールでは、B注入ドーズが1x10^<15>cm^<-2>におけるシート抵抗は本研究での実験結果と同等であるが、B注入ドーズを2x10^<15>cm^<-2>まで増加した領域では飽和しており、本研究での結果の方がより低抵抗化が可能となっている。今後、これまでの研究成果をさらに発展させて、ドーパント領域の更なる低抵抗化と新奇材料への適用を目指した研究を進めていく計画である。
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Research Products
(1 results)