2008 Fiscal Year Annual Research Report
LSIプロセスによりシリコン結晶に導入された結晶歪の精密分布測定に関する研究
Project/Area Number |
20035012
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小椋 厚志 Meiji University, 理工学部, 准教授 (00386418)
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Keywords | 半導体物性 / マイコロナノデバイス / 物性実験 |
Research Abstract |
近年の最先端半導体集積回路(LSI)では、個々の素子サイズが極限まで減少したことにより、従来までは問題とならなかったことがデバイスに影響を与えるようになった。例えば、素子分離として現在用いられているshallow trench isolation(STI)において、顕著なリーク電流が生じる場合があり、しSIの信頼性、生産性ともに減少させている。STIは種々のプロセスの組み合わせで形成されるもので、リーク電流の原因を調べるためには、プロセスごとにモニタリングを行う必要がある。一般的に、リーク電流の原因となるものが、プロセスごとに段々と蓄積され、最終的に顕著な結晶欠陥を誘発されると考えられている。しかしながら、結晶欠陥のいわゆるタネのような状態は、結晶欠陥評価として有力とされる、transmission electron microscopy(TEM)でも、検出することは困難となる。 本課題では、STIプロセス、具体的には、エッチング処理、酸化処理、熱処理、の基礎的なプロセス条件を種々用意し、UVラマン分光法で評価を行った。ラマン分光法は、非破壊非接触、室温、常圧の下評価を行える光学的評価手法である。さらに、UV光を励起光として用いることにより、Siに対する侵入長が約5nmとなる。これにより、もともと結晶欠陥に敏感なラマン分光法に加え、極めて表面敏感な評価法となり、もっともダメージを蓄積し易いSTI構造表面の評価が可能となった。結果的に、エッチング条件、酸化条件、熱処理条件の最適化に重要な知見を得ることができた。酸化条件は、実際想定していた酸化時間より、結晶性を回復させるためには多くの時間を要することや、素子間(ウエハの真ん中あるいは端)で、大きくばらつくことが新たに明らかになった。
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