2008 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒による多重結合のビスメタル化を利用した環状化合物の不斉合成法の開発
Project/Area Number |
20036005
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 望 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 准教授 (80349258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 美洋 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90226019)
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Keywords | ビスメタル化 / 炭素-炭素結合形成反応 / 不斉環化反 / 含室素ヘテロ環カルベン / 触媒的不斉合成 / シリルボラン / シリルスタナン / トランスメタル化 |
Research Abstract |
金属-金属結合を有するバイメタリックな化合物は遷移金属錯体によって活性化され多重結合へ付加し、新たに炭素-金属結合を含む化合物を与える(ビスメタル化反応)。本研究課題はこのビスメタル化反応を機軸とする環状化合物の効率的な不斉合成反応を新たに開発することを目的とする。平成19年度において1, 3-ジエン、アルデヒド及び有機金属試薬の三成分連結反応を検討したが、平成20年度はまず本反応にアルデヒドの代わりとしてケトンを用いた場合も同様の立体選択性が得られるかについて検討した。(E)-1-[4-(methoxymethyoxy) methylphenyl]buta-1, 3-diene、アセトフェノンおよびフェニルボロン酸をニッケル-トリフェニルボスフィン錯体存在下、CPME中で反応させたところ、1, 3-位の立体化学がシンに制御された三成分カップリング体が収率良く得られた。またこの際に1位の四置換不斉炭素中心の立体化学も完全に制御されることが明らかとなった。脂肪族ケトンを含む様々なケトンが本反応に適用可能であることが分かった。一方、フェニルボロン酸の代わりに2-(diphenylsilyl) phenylmethanolをトランスメタル化試薬として用い、1, 3-bis(2, 4, 6-trimethylphenyl) imidazolium配位子及び炭酸セシウム存在下で反応を行ったところ、1, 3-アンチの立体化学を有する三成分カップリング体が収率良く得られることが分かった。この場合も不斉四置換炭素の立体化学が完全に制御されることが明らかとなった。また、以上の有機金属化合物の代わりにケイ素-ホウ素結合を有するシリルボランを用い、トリフェニルボスフィン存在下で反応を行ったところ、 三成分カップリングが進行しアリルケイ素部位を持つ化合物が立体選択的に生成することを見出した。
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