2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20036011
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
上野 圭司 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (20203458)
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Keywords | ガリウム / 不飽和結合 / ガラン / シグマ錯体 / 反応 / 金属錯体 / 光反応 / 逆供与結合 |
Research Abstract |
(1)ジクロロガリル鉄錯体Cp^*e(dppe)GaCl_2(Cp^*=η-C_5Me_5, dppe=Ph_2PCH_2CH_2PPh_2)とK_2[W(CO)_5]との反応によって、ガリウム架橋鉄タングステン錯体Cp_*Fe(dppe)GaW(CO)_5(1)を収率55%で得ることに成功した。また、同様の反応により、ガリウム架橋鉄クロム錯体2を収率53%で得た。これらの錯体は、各種スペクトルおよび元素分析によって同定した。また、ガリウム架橋鉄タングステン錯体1に関しては、X線結晶構造解析によってその構造を決定した。その結果, Fe-Ga-W結合角は173.78(4)°であり、また、W-GaおよびFe-Ga結合長はそれぞれ2.5861(8)および2.2687(12)Aで、いずれも対応する一般的な単結合距離(W-Ga ; 2.71-2.76A、Fe-Ga ; 2.36-2.46A)と比較して短いことが分かった。 (2)W(THF)(CO)_5とH_3Ga・lut(lut=3, 5-lutidine)を反応させることで、H_3Ga-lutがGa-H結合で配位したガラン錯体(CO)_5W(H_3Ga・lut)(3)が収率35%で得られることが分かった。なお、H_3Ga・lut存在下でW(CO)_6を光照射しても錯体3は得られたが、この条件下では錯体3の光分解反応も同時に起こるため、収率はかなり低下した。錯体3は室温で淡黄色液体(融点-5℃)であり、各種スペクトルおよび元素分析によって同定した。
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