2009 Fiscal Year Annual Research Report
元素の選択的配置を利用したポリ酸クラスター内での希土類原子発光特性の制御
Project/Area Number |
20036018
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾関 智二 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60214136)
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Keywords | ポリオキソメタレート / X線結晶構造解析 / 発光材料 |
Research Abstract |
本研究はポリ酸配位子を利用することにより、希土類原子の配位環境を制御し、希土類原子からの発光を制御することを目的とする。本研究で採用する手法の特徴は、ランタノイド収縮に伴う希土類原子のイオン半径の変化と、[P_2W_<17>O_<61>]^<10->配位子の多座配位能およびタングステン酸化物骨格に由来する剛直さとの相乗効果を利用して、それらが形成する錯体の構造変化をもたらす原因を明らかにしようとする点にある。 今年度、[P_2W_<18>O_<61>]^<10->配位子を用い、La~Euの6種類の希土類原子との錯体を合成・構造解析を行った。いずれの化合物も希土類原子2原子が[P_2W_<18>O_<61>]^<10->配位子二つを架橋したユニットが、さらにユニット外の希土類原子により連結された一次元構造をとっていた。ところが、LaおよびCeが作るユニットと、Pr, Nd, Sm, Euのつくるユニットとでは構造が異なっていた。結晶構造の詳細な検討の結果、イオン半径の大きなLaおよびCeと同様の構造を、イオン半径が小さなPr, Nd, Sm, Euがとろうとすると、それらが架橋する[P_2W_<18>O_<61>]^<10->配位子同士の衝突が起きることが予想された。一方、イオン半径の小さいため8配位となるPr, Nd, Sm, Euと同様の構造を、イオン半径が大きいため9配位となるLaおよびCeがとろうとすると、新たに加わった9番目の配位子である水分子が、隣接する[P_2W_<18>O_<61>]^<10->配位子と衝突することが予想された。これらの立体的要因が構造変化を引き起こすことが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Synthesis of Orthorhombic Mo-V-Sb Oxide Species by Assembly of Pentagonal Mo_6O_<21> Polyoxometalate Building Blocks2009
Author(s)
M.Sadakane, K.Yamagata, K.Kodato, K.Endo, K.Toriumi, Y.Ozawa, T.Ozeki, T.Nagai, Y.Matsui, N.Sakaguchi, W.D.Pyrz, D.J.Buttrey, D.A.Blom, T.Vogt, W.Ueda
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Journal Title
Angew.Chem.Int.Ed. 48
Pages: 3782-3786
Peer Reviewed
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