2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規なリン酸誘導体:元素間の親和性を利用する合成法の開発と分子空間識別への展開
Project/Area Number |
20036020
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
村井 利昭 Gifu University, 工学部, 教授 (70166239)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝原 文利 岐阜大学, 工学部, 助教 (60362175)
|
Keywords | リン酸誘導体 / 元素相乗系 / フッ素化リン酸 / フッ素化加水分解 |
Research Abstract |
本研究では、リン酸の酸素原子をセレン原子に置換えた新規な誘導体を端緒として、新しい化合物群の創製、フッ素化を伴う反応開発を行っている。その中で以下の成果を得た。 1、ジフェニルリン酸O-アルキルエステルに対してフッ化テトラブチルアンモニウムをTHF中作用させると、エステルのフッ素化加水分解が進行し、フッ化リン酸モノエステルアンモニウム塩を高収率で導くことができた。アルキル基としては、一級アルキル基、メンチル基、アダマンチル基、コレステリル基、リボース由来の置換基を持たせることができた。さらにリン酸アミドへ本反応を適用したところ、リン原子上に、フッ素、アミノ基、酸素原子二つが結合したフッ化リン酸ものアミド塩を導くこともできた。いずれの生成物も溶解度は、エーテル、水、塩化メチレンの順に高くなり、反応混合液を水で抽出さらに塩化メチレンで抽出することで塩を単離できた。さらにリン酸エステル由来の塩はイオン交換樹脂であるアンバーリスト15を通すことで対応する酸に変換できた。一方アミド由来の塩は酸を発生させることはできなかった. 2、酸を用いた無溶媒条件下でのエステル化反応を検討した。エステル化反応は、最も基本的で重要な反応の一つである。これまで主にスルホン酸系の誘導体の反応活性は広く検討されてきたが、リン酸系についての検討例は少ない。リン酸の酸性度がスルホン酸のそれに比べて小さいためであるかもしれないが、リン原子上にフッ素原子を組込むことで酸性度は向上している。そこで1-フェニエルアルコールと脂肪族カルボン酸との脱水縮合を行った。その結果、期待するエステル化反応が高効率で進行した。スルホン酸系では、1-フェネチルアルコールそのものからの脱水反応が優先することとは対照的な結果であった
|
Research Products
(2 results)