2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規なリン酸誘導体:元素間の親和性を利用する合成法の開発と分子空間識別への展開
Project/Area Number |
20036020
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
村井 利昭 Gifu University, 工学部, 教授 (70166239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝原 文利 岐阜大学, 工学部, 助教 (60362175)
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Keywords | リン酸誘導体 / 元素相乗系 / フッ素化リン酸 / フッ素化加水分解 |
Research Abstract |
本研究では、リン酸の酸素原子をセレン原子に置換えた新規な誘導体を端緒として、新しい化合物群の創製、フッ素化を伴う反応開発を行っている。その中で以下の成果を得た。 1、ジフェニルリン酸O-アルキルエステルに対してフッ化テトラブチルアンモニウムをTHF中作用させると、エステルのフッ素化加水分解が進行し、フッ化リン酸モノエステルアンモニウム塩を高収率で導くことができた。アルキル基としては、一級アルキル基、メンチル基、アダマンチル基、コレステリル基、リボース由来の置換基を持たせることができた。さらにリン酸アミドへ本反応を適用したところ、リン原子上に、フッ素、アミノ基、酸素原子二つが結合したフッ化リン酸ものアミド塩を導くこともできた。いずれの生成物も溶解度は、エーテル、水、塩化メチレンの順に高くなり、反応混合液を水で抽出さらに塩化メチレンで抽出することで塩を単離できた。さらにリン酸エステル由来の塩はイオン交換樹脂であるアンバーリスト15を通すことで対応する酸に変換できた。一方アミド由来の塩は酸を発生させることはできなかった。 2、ビナフチル基を有するセレノリン酸塩化物を新しいキラル分子ツールとして用いた。ラセミ体2級アルコールと反応させ、エステルにしたところ、^<31>Pならびに^<77>Se NMRでジアステレオマーひいては、ラセミアルコールを識別することができた。さらひ1H, 13C NMRとの組合せから、類似の炭素骨格を有する誘導体では、アルコールの絶対配置を類推する系として、用いることができることも示した。またジアステレオマーは、再結晶などにより分離することができ、そこから光学活性なアルコールを取り出すことも検討した。現段階ではエステルとBuLiとの反応がこれに適用できることがわかった。
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Research Products
(7 results)