2008 Fiscal Year Annual Research Report
元素相乗的な連続結合活性化に基づくホウ素・ケイ素・遷移金属複合系の新触媒プロセス
Project/Area Number |
20036029
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大村 智通 Kyoto University, 工学研究科, 講師 (00378803)
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Keywords | 合成化学 / 結合活化性 / 遷移金属触媒 / 結合形成 / 元素間結合 / 有機ケイ素化合物 |
Research Abstract |
遷移金属錯体による元素間結合の活性化をきっかけとして複数の結合活性化を連続的に引き起こす素反応過程に基づいた高反応性触媒中間体の効率的形成と、これを利用する触媒的結合形成反応の開発を目的として研究を行った。交付申請書に記載した「研究項目1. メタル-シリレンを経由する1,3-ジエンとの触媒的結合形成反応の開発」において、シリルボランのケイ素上に置換した脱離基の種類、および触媒上の配位子の電子的・立体的効果について検討を行ったところ、ジエチルアミノ基が置換したシリルボランを用い適切なリン配位子を有するパラジウム触媒の存在下反応を行うことで、シリレン等価体の形成と炭素一ケイ素結合の形成が効率よく進行し、5員環環状ケイ素化合物が収率よく生成することを見出した。様々な置換様式の1,3-ジエンに対し反応を検討した結果、本反応が高い基質一般性を示すことに加え、官能基選択的かつ立体特異的に進行することが明らかとなった。これらは、従来の熱分解や光反応により発生させたフリーシリレンでは達成できないことから、メタル-シリレンを経由する本反応の有機合成的有用性が明らかとなった。ここで得られた知見を基にして、交付申請書に記載した「研究項目2.メタルーシリレンを経由する他の不飽和炭化水素との触媒的結合形成反応の開発」に関して末端アレンおよび非共役エンインとの反応を検討した。その結果、期待した環状ケイ素化合物の形成反応は進行しなかったものの、生成した化合物の構造から反応機構に関する有用な知見を得ることができた。これらの知見は、メタルーシリレンを活用する触媒的結合形成反応開発に資すると考えられる。
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Research Products
(5 results)