2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20037001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
魚崎 浩平 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (20133697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 陽一 北海道大学, 触媒化学研究センター, 研究推進支援教授 (30004500)
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Keywords | 燃料電池 / ナノ材料 / 表面界面物性 / 触媒・化学プロセス |
Research Abstract |
金属錯体は、その分子が持つ多様な幾何構造・触媒活性・レドックス反応性・発光特性などの観点から多くの研究が行われている。中でも多核金属錯体は1分子中に複数個の中心金属イオンを含み金属間相互作用による諸性質の広がりが期待されるため活発に研究が行われている。我々はこれまでに均一系で進められている研究を電極表面へと展開することで、新たな機能の創成を目指している。本特定領域研究では、多核金属錯体の構造および多電子酸化還元能に注目し、多核錯体の特性を生かした電極触媒への応用を目指している。本年度はメタノール酸化と、二酸化炭素還元について検討した。 1. PtRu触媒によるメタノール酸化反応 PtRu混合層はメタノール酸化反応(MOR) に対して有効な電極触媒として知られているが、原子レベルで1:1に混合した電極触媒の作成法は確立されていない。ここでは新規に合成したPtRu複核錯体([Pt^<II>(tlpy)-Ru^<II>(bpy) (trpy) (μ-L)] (PF_6)_2(L=2-オクチルチオ-4,6-ジメルカプト-1, 3, 4,-トリアジン))を電極表面に固定化し、その分子層を熱分解することで、PtRu混合層を形成した。350℃で処理した場合に最高の触媒活性が得られ、白金多結晶電極に比べて白金1原子あたり1桁程度大きなメタノール酸化活性を示した。 2. Ru三核錯体によるCO2の電解還元 CO_2の電気化学的な還元は重要な反応であるが、高い過電圧が問題である。多核金属触媒を用いると、 低い過電圧での反応が期待できる。[Ru_3(μ_3-O) (μ-CH_3COO)_6(CO) (mpy) (C_<10>py)]_2の自己組織化単分子層をAu(111)電極上に構築しCO_2飽和条件で電気化学測定を行ったところ、カソード電流の増加が観測され、また赤外反射分光測定によりCO_2の還元が確認された。
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Research Products
(17 results)