2008 Fiscal Year Annual Research Report
希土類ーアルカリ金属アート型複核金属不斉触媒の新展開
Project/Area Number |
20037010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 茂樹 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 講師 (50334339)
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Keywords | 希土類金属 / 不斉触媒 / 不斉合成 / 協奏機能 / アート錯体 |
Research Abstract |
平成20年度にはLewis base activation of Bronsted base概念による新規希土類-アート型触媒の創製と応用として希土類アリールオキシドに対してキラル2座配位性ホスフィンオキシドを配位させた触媒を開発した。本触媒系によりトリクロロメチルケトンをエステル等価求核剤とするanti-選択的なマンニッヒ型反応の開発に成功した。2座配位性ホスフィンオキシドを配位子とすることでPybox錯体とは異なり希土類周囲に十分なかさ高さを造り出すことができ、これにより非環状遷移状態を経由する反応を促進する触媒系を構築できた。さらに応用例としてα-ケトアニリドを求核剤とする触媒的不斉マンニッヒ型反応の開発にも成功した。また、希土類アート型錯体全般の展開として、触媒的不斉シクロプロパン化反応、ケトンへのイリド付加による触媒的不斉エポキシ化反応の開発にも成功し、反応機構解析を通じて希土類錯体の協奏的機能発現機構に対する解析を進めた。機構解明の途中で得られた知見をもとにさらに検討を進めた結果、オキセタンのワンポットでの触媒的不斉合成法の確立にも成功した。また、希土類-アルカリ金属アート錯体で十分な不斉誘導が達成できない場合を想定し、アルカリ土類金属錯体に関する予備的検討も進め、バニリン由来のシップ塩基との組み合わせが有効な不斉反応場の構築に有効であることを見いだした。これらの知見を踏まえて平成21年度にはさらなる発展的な検討を進める。
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Research Products
(5 results)