2008 Fiscal Year Annual Research Report
同種および異種金属複核錯体触媒を用いるオレフィン重合
Project/Area Number |
20037017
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂田 耕太郎 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (00152455)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 大介 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (90311662)
|
Keywords | 触媒 / パラジウム / 重合 / ユチレン / プロピレン |
Research Abstract |
ジルコノセン錯体とパラジウム、ニッケル、コバルトなどの後期遷移金属錯体触媒をそれぞれ合成し、両錯体のオレフィン官能基を、ルテニウム錯体触媒による交差メタセシス反応を用いて連結して複核錯体を得た。これらの錯体はいずれもエチレンの重合活性を示したが、Zr-Pd錯体ではエチル分岐をもつ高分子が生成し、これはパラジウム上でおきたエチレンの二量化生成物とエチレンとの共重合がジルコニウム上でおきたものと理解される。一方、Zr-M錯体を触媒とするエチレン重合反応では、C10-C12程度の長鎖分岐を有するポリマーが得られた。構成するジルコニウム錯体、ニッケル錯体を混合して触媒に用いた場合にも長鎖分岐を有する高分子がエチレン重合によって生成したが、その分岐の密度や長さには二核錯体と単核錯体の混合物とでは顕著な違いがあった。したがって、二核錯体においては、単核錯体と同様にニッケル上でのエチレンオリゴマー化と生成オリゴマーとエチレンとの共重合が一部おきているものの、高分子の生長末端が二つの金属間をトランスメタル化することによって生成する分岐ポリエチレンが相当量生成することが明らかになった。Fe(II), Co(II), Ni(II)を中心金属に用い、配位子は2,6-ジアセチルピリジンを二官能性のアミンと縮合させて合成し、生成する多座配位子に遷移金属塩を加えてこれら金属の二核錯体を合成した。2つの金属に結合するビスイミノピリジン部分は同じ方向をむいている構造が立体的に安定であり、ピリジン平面が平行である場合に、面間距離は3.8-4.6Å前後であると推算される。これらの新規錯体を触媒とし、MMAOを助触媒に用いエチレンの単独重合をおこなった。イミノ基に置換基を有しない錯体では重合の活性、生成物の分子量ともに低かったが、メチル基をイミノ基上に有する錯体触媒では円滑にエチレン重合が進行した。
|