2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20037019
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩澤 伸治 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (40168563)
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Keywords | 白金含有カルボニールイリド / 金属含有アンモニムイリド / 鎖状γ, δ-イノン / 塩化白金(II) / タングステンカルボニル錯体 / レニムカルボニル錯体 |
Research Abstract |
既に、鎖状γ, Δ-イノンに対しビニルエーテルの存在下で触媒量の塩化白金(II)を作用させると、良好な収率で8-オキサビシクロ[3. 2. 1]オクタン誘導体が得られることを報告している。本反応ではまず、塩化白金(II)により求電子的に活性化されたアルキンへのカルボニル酸素からの6-endo型求核攻撃により、白金含有カルボニルイリドが生成する。続いてこれがビニルエーテルと[3+2]型付加環化反応を起こして不安定型カルベン錯体中間体となり、さらに2度の骨格転位反応、1, 2-水素移動を経て生成物を与えると考えられる。今回、本反応に対してより高い活性を示す触媒の探索を行ったところ、cis-PtCl_2[P(m-tolyl)_3]_2とAgSbF_6とを混合して生じると考えられるカチオン性白金錯体を触媒として作用させると、[3+2]付加環化により生じるカルベン錯体中間体から1, 2-水素移動が進行したが、一方cis-PtCl_2[P(2-furyl)_3]_2とAgSbF_6の組み合わせを用いると骨格転位反応を経由して生成する化合物がそれぞれ選択的に、かつ良好な収率で得られることを見出した。さらに、本触媒系はこれまで用いていた塩化白金(II)よりも活性が高く、より短時間で反応が完結することがわかった。 また、o-アルキニルアニリン誘導体を用いて各種求電子的な遷移金属錯体との反応を検討した結果、金属含有アンモニウムイリドの生成、引き続く環拡大型のStevens転位反応が進行し、各種三環性インドール誘導体が得られることを見出した。本反応では、ピロリジン誘導体を基質とする場合にはタングステンカルボニル錯体が、また、ピペリジン誘導体を基質とする場合にはレニウムカルボニル錯体が高活性を示し、それぞれ6員環、7員環が縮環した三環性インドールが収率よく得られた。
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Research Products
(8 results)