2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20037022
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 雄二 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (40182985)
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Keywords | ゼオライト / 光物性 / ナノハイブリッド / りん光発光 / イリジウム錯体 / 発光素子 |
Research Abstract |
光触媒設計において、光の吸収・緩和過程を自在に操る科学に対する期待が大きい。もし、分子レベルの環境設計を光吸収部位(アンテナ)に加えることができ、さらにそれを触媒活性サイトと有機的に近接環境内に配置することができれば、光触媒作用を自在に操ることも夢ではない。最も重要なターゲットは、高い発光量子収率を有したナノ発光素子の創製である。有機ELりん光材料としてトリスオルトメタル化イリジウム錯体は高い発光量子収率の観点から注目されている。本年度の研究では異なるピリジン誘導体配位子構造を持つイリジウム錯体をゼオライト細孔内で合成し、その発光現象について検討した。 生成物の拡散反射スペクトルはそれぞれ330-400nm付近に錯体のMLCTに帰属される吸収を示した。発光スペクトルにおいて、それぞれの生成物のピークトップは595, 520, 490nmである。以上の結果から、トリスオルトメタル化イリジウム錯体の生成を確認した。Ir(Phq)_<3->Xの発光強度は洗浄により減少したことから、Ir(Phq)_3がゼオライトの外表面での存在を示している。それに対しIr(ppy)_<3->XとIr(dfppy)_<3->Xの発光強度は洗浄によりほとんど変わらないことから、ゼオライト細孔内でのship-in-a-bottle合成に成功したといえる。また、ppyとdfbpyを同時にIr^<3+>交換ゼオライトへの導入・錯体化させた。その際ppyとdfppyの比率を変えることにより、青色から緑色への発光色がかわるイリジウム錯体-ゼオライトナノハイブリッドを構築した。
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